沖縄県 同窓会
卒業してから10余年、久しぶりに旧友と会える。みんな変わっているかなあ、変わっていないのは俺だけかなぁとひとりつぶやき車中で思考しながら定刻30分過ぎの20:35分にホテルに着いた。
最近部長にこっぴどく起こられるのが億劫になってきた。仕事でも家庭でも、人として誇らしい自分に成長して友との歓談をしたかったが、なぜだかこんな毎日にウンザリしていた。
ホテルの有線で学生時代に自分自身に勇気づけるために告白前に聞いたボブディランの曲が流れている、結局は振られたものの青春のエピローグとして残っている。そんな南ちゃんも今日は来るだろうか?学生時代からの情報通で知られる親友の藤田は彼女は来るとは言ったものの、何を話したらいいのだろうか?気取らずに昔の様に気さくに喋れるいや、喋ってくれるだろうか、旦那さんとは別居中で自分にもチャンスがあるのかと変な期待と焦りが頭の中をよぎる。
「ヒサジ振りっー!!」
相変わらず学生時代とつまらないギャグを飛ばしてきたのはずんぐりむっくりの伊藤君だ。
「おおぅ!! 久しぶり」
「っていうかお前にいわなければならないことがある」
南ちゃんから手紙を預かってきたといって彼女の最後の手紙を読んだ
「ひさし君お久しぶりです。本当は今日貴方たちと会って昔話をしながらおいしいお酒を久しぶりに飲んで歌って笑っているはずだった。ひさし君のコトは正直好きだった。。。。だけど両親が厳格でお付き合いしてばれたら怖くてそんな勇気は踏み出せなかったの。けど今になって後悔している。ひさし君の奥さん家庭は素敵なんだろうなぁってしあわせなんだろうなぁって。ていうか変な話しちゃってごめんね、奥さんを大事にしてあげてねっ」
これが最後の手紙になるとはゆめにも思っていなかった。
彼女は同窓会場の向かいのホテルの一室で自らの命を絶ったのだ。
彼女のやるせない思いと現実を向き合うのにはそう時間が....。
同窓会をすぐさま後にし彼女の顔を見ていると自分に何かできなったのだろうか、何で言ってくれなかったと自問自答を繰り返しながら選考を炊焚き合掌をした。
後悔しないためにも彼女の為にももう一回人生を生きてみよう総点検していこうと硬く心にきめ玄関を後にした。
いきなりのことで涙が出てこない、彼女とともに俺にできることを模索していこう、それが彼女に伝わるはずだ
何かできることを.....。
おきなわ、沖縄でokinawa
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